
- 01. 左耳にピアスをしない理由
- 02. 囘想列車
- 03. ひどい癖
- 04. 終電
- 05. 1mm単位の恋
- 06. 愛憎
- 07. ディアマイ
- 08. 殺文句
- 09. 拝啓、最低な君へ
- 10. 病んでるくらいがちょうどいいね
Text : 秦 理絵
「別に、どうでもいい、知らない」という言葉は、精一杯のつよがりだ。二度も浮気をして、あのとき、目を泳がせながら嘘をついた、笑顔が愛らしい君のことを、本当は「どうでもいい」なんて1ミリも思ってはいない――。This is LASTが11月25日にリリースする初のフルアルバム『別に、どうでもいい、知らない』を何度もリピートしているうちに、そのタイトルの切なさはどんどん増していった。ほぼ全編が元カノへの未練を吐露する全10曲。バンド名を現在の「This is LAST」に変えた2018年のデビュー以降、ボーカル菊池陽報の実体験をもとにした赤裸々な恋愛エピソードを歌にしてきたLASTは、初のフルアルバムでも、相変わらず、「僕が君をどれだけ好きか」を歌い続けていた。
昨年11月に発表された初の全国流通盤『aizou』、今年4月の『koroshimonku』という2枚のミニアルバムを経て、バンド初のフルアルバムとなった今作には、デビュー1年足らずでThis is LASTの名前が広く知られるきっかけになった「殺文句」と「愛憎」の2曲も収録される。
“あなたが1番よ"。そんな「君」の殺し文句を信じて、2番目のオトコになり下がった無様な自分をリアルに歌った「殺文句」は、文字通りThis is LASTのはじまりの1曲だ。当時、まったく毛色の異なる激しめなバンドを組んでいたという陽報が、つき合っていた彼女にフラれたことをきっかけに書いたという。疾走感あふれるバンドサウンド、軽やかでキャッチーなサビにのせた感傷的なメロディと心を抉るリアルな歌詞。それがバンドの武器となり、いまへとつながっていく。歌詞に注目されがちな曲だが、演奏は骨太で荒々しい。その音に宿る激情も歌のやるせなさをいっそう強く掻き立てる。
ノンプロモーションながら、「殺文句」のミュージックビデオが再生数を伸ばし、じわじわとバズりはじめたころに追い打ちをかけたのが「愛憎」だった。イントロなしで歌い上げるハイトーン、“誰かの代わりなんて知ってるから"という悲壮感に満ちた歌詞、キャッチーさはありながら、「殺文句」よりも重めに仕上げたバンドサウンドは、愛情の裏返しにある「憎」の感情にも気づきはじめた自身の葛藤を表すようにも聴こえる。それでも一度好きになった「君」を嫌いになることはできない。LASTの歌の痛みには、その根底に「優しさ」が深く漂っている。
その他、アルバムの収録曲には、「秋」をキーワードに文学的な表現も取り入れた「左耳にピアスをしない理由」、抑揚のあるドラマチックなアレンジで心の機微を描いたバラード「終電」や、爆発力のある演奏にメタルコア系バンドだった頃の名残を感じさせる「ディアマイ」など、様々なアプローチの楽曲が並んだ。その全曲に共通するのは、個々のプレイヤーの演奏力、テクニックが上がったことで、いままで以上にロックバンド感が強まったことだ。コロナ禍におけるライブ活動の制限によって制作に集中できたことも要因らしいが、あえてスリーピースの楽器編成にこだわり、「幅広く」と言うよりも、「奥深く」バンドの本質を突き詰めたことで、とてもソリッドな作品に仕上がった。
なかでも、リード曲「ひどい癖」は進化したバンドのいまを感じるナンバーだ。4つ打ちのバスドラに滑らかに加わるベースライン、キラキラとしたギターが疾走感を加速させ、セッションのように幕を開けるイントロ。ダンサブルなビートは、その昂揚感とは裏腹に歌詞に込めた悲しみを余計に強くあぶり出す。癖をテーマにした歌詞には生々しい言葉も綴った。それは、陽報の曲作りにおけるひとつのテーマでもある。過去のインタビューでは、「ふつうだったら、こんなにえげつないところまで話さないなっていうところを入れたい」と言っていた。人間のどろどろした汚い部分も包み隠さずに歌うからこそ伝えられる痛みがある。それが、彼らが音楽でもっとも表現したいことなのだと思う。
最後に、ラストナンバーとして収録されている「病んでるくらいがちょうどいいね」についても触れておく。今作のなかでは、唯一、ラブソングではない楽曲だ。ハンドクラップを巻き込みながら陽気に弾むサウンドにのせて、ネガティブな自分の性分を嘆きながら、それをなんとか肯定しようと歌っている。メンバー全員で調子っぱずれに叫ぶ“「病んでる僕らだからこそ!」"のフレーズが痛快だ。ここまでの9曲で自身の恋愛遍歴を無防備なまでにさらけ出してきた「菊池陽報」とは、どんな人間なのか、その人物像が一気に伝わる曲でもある。そこには、こんな時代だからこそ“意思"をもって生きようという泥臭いメッセージも潜ませた。最後にこの歌があることで、この『別に、どうでもいい、知らない』という作品は、より人間くさくなったようにも思う。全力で誰かを好きになって、打ち砕かれて、それでも“気の持ちようさ"と前を向く。それがきっと「生きる」ということなのだ。
品 番:KRRC-1005 / JAN : 4907953279315
価 格:¥3,000(+Tax)
販売元:Happinet Media Marketing
発売元:KURAMAE RECORDS
2018年5月結成、千葉県柏市発、3ピースロックバンド。赤裸々に実体験と思いを綴った歌詞と、感情的なライブ・パフォーマンスがSNSやライブハウスを中心に多くの若者から支持を集め、デビュー 2年にして「愛憎」がYouTubeでの再生回数が60万回「殺文句」はノン・プロモーションにも関わらず50万回を超える。また、タワーレコード渋谷店限定CDが即完するなど、何かと若い世代に"バズり"まくっている。各地の人気ライブ・サーキットへの出演、そして入場規制を起こすなど、天井知らずの勢いで拡大をみせる。今作は"スリーピースロックバンド “としての魅力を最大限に活かして創られた彼らの「今」を体現した1st Full ALBUM!「活動が制限された時間」を創作に注ぎ続けたゆえの“深化"したサウンドで、さらに勢いを増す!次頑張ればいいや、は絶対にない。まさに“今、1番絶対に聴くべきバンド"。
1番作っていて楽しかった、そして1番悩んだのがこの曲です。中でも特に個人的に聴いていただきたいのは後半の4/3拍子に変化するパート。1.2.3、1.2.3という、いわゆるワルツ的なリズムを使ったパートです。ベースとギター2人でアルペジオをしているのですが、これは深くて暖かい海に沈んでいき、且つ感情の荒波に揉まれ落ちていく、そんな感覚を表現しています。ライブでは是非一緒に感情の海に沈んでみて欲しいです。とても心地が良い。きっとそう思うはずです。
はい最高ですね。序盤から畳み掛けるスピード感。アツイしエロいしなんのって。笑
このフルアルバム自体とてもライブというか生感を意識しているのですが囘想列車はもうテンション上がりまくりますね。主に僕らが!笑
とにかくイントロのフレーズを作るのに時間がかかりましたね。できた時にはレコーディング前日というギリギリ感。笑
5%のチューハイのみながら聴いてやってくだせぇ!!! オレンジジュースかコーラでも可っっ!!!
フルアルバムのリリースに伴い今回新たに再録致しました!
ライブで何度か演奏していたこともあったので、編曲することも特にないんじゃないかと思っていたのですが、改めてメンバーでこの楽曲を見直した時に結構修正箇所がありました。
イントロ・サビ・アウトロのベードラのリズムが微妙に合っていなかったり、大サビに入る前の楽器隊のキメに違和感があったりと意外にも編曲に苦戦してしまった一曲です笑
今回再録した「終電」はこういったところの修正や、バンド全体のリズムの跳ね感をかなり意識しながらレコーディングをしました。
再生した瞬間から流れる胸を締め付けるようなVo&Gtあきの歌声と歌詞、切ない中にもどこか荒々しさを感じられるロック・バラードとなっております!
確か1番最初に土台が出来上がったのがこの曲でした。この曲は詩とメロディを聴いた瞬間にもう4つ打ちだ!と決めてました。
シンプルだけどちょっとだけ捻りたい!
且つ、サビは思いっきり盛り上げたい!
POPでROCK!
その絶妙なバランスを目指し、3人のイメージが合わさることで上手く体現出来た気がします。サビはみんなに思いっきり笑顔で楽しんでもらいたいです!
THE菊池陽報の個人情報って曲です。笑
僕らの楽曲のほとんどは実体験をもとに書いているのですが、その中でも間違いなく、特にそれが色濃く現れている楽曲の内の1つと言えます。
詩を見ながら聴いて頂きたいです。
実はこの曲は過去に何度かライブで演奏したことがあって、制作時には過去のライブ音源を聴きながらバンドで編曲をしよう!という流れになったんですけど改めてメンバーで過去の音源を聴き返してみると
「あれ?この曲もう既に完成してない?」ってなりましたね笑
なので編曲はあまりしなかったので曲の完成自体はかなり早かったです!
Vo&Gtあきが歌うストレートな歌詞やメロディ、それに直結する楽器隊の疾走感溢れるサウンドを含め、バンド全体の熱量感を是非感じてもらえたらなと思います!
このバンドが始まるキッカケとなった曲、そして沢山の方達との出会いをくれたこの曲は1枚目フルアルバムには絶対必要だと思いました。
浮気を経験したのはVo&Gtあき本人なんですけど歌詞のストーリー性が凄まじいあまり、一瞬でその世界観に引きずりこまれて、実際に経験した本人じゃないのにまるで僕自身が経験しているかのような感覚を喰らったのを今でも覚えています。
巧みなストーリー展開や当時の感情を爆発させながら歌うあきの表現力、さらにそこに絡み合うアップテンポでエモーショナルなバンドサウンドは要注目です!
この曲はデモを聴いた瞬間から、あきがこの曲に込めた想いを1番に伝えたい。
そう思い、それだけをずっと考えながら作っていました。
2分半というバラードでは珍しく短い尺で、いかに感情を音楽に乗せるか、とても難しかったです。小賢しいことは絶対にしたくない。
その結果思いついたのがリードギターも感情、言葉を伝える詩として生かすというイメージです。
最初にあきがアドリブで弾いたリードギターをそのまま採用することで最大限この曲に注がれるVo&Gtあきの想いを表現できたと思ってきます。
詩、メロディは勿論のこと、リードギターが表現する感情、言葉、描写を感じ取って頂けたら嬉しいです。
まさにタイトルのままですね!笑
この曲が今回の新曲たちの中で1番最初に書いた曲だったりします!
不運続きだったり、うまくいかないことだったりで、どん底に病みきった僕を救ってくれました!実は超ハッピーな曲!
すぐ傍にいる人でも手の届かないほどの心理的距離を感じる事があります。
その距離を縮めたいのにどうする事もできないもどかしさや胸を締め付けられる感傷をThis is LAST の楽曲に感じました。遠く離れた場所から見ていたのに偶然目が合ってしまった。そんなイメージで描かせていただきました。
日本人デジタルアーティスト。架空のキャラクターSAIを使った作品をソーシャルメディアで展開し国内外から反響を得ている。2016年末に初の個展を表参道ROCKETにて開催し、国内各地での展示に加え、上海・ジャカルタでも個展を開催した。2017年から翌年にかけてアジアツアーを敢行。日本国大使館JCCをはじめアジア4都市で個展を開催し数千人の来場者数を記録。イラスト・アートディレクション・キャラクターデザイン・コンセプトアート等多岐に渡って活動している。アートブック「感0」がポニーキャニオンより発売中。
This is LASTが音で積み上げている世界観を拡張するMVを制作しました。歌詞を面白く扱う曲だったので映像に引っ張り出してみました。自分にも人には言えないような「ひどい癖」は有りますが、それを曲にして発信するThis is LAST自体が良い意味でやばい癖の持ち主だと思います。ミュージックビデオとリリックビデオの融合作品を是非楽しんで下さい。
1994生 / 映像監督
https://twitter.com/YP_________
Forbes が選ぶ【業界を代表する30歳未満のイノベーターにインタビューを行う「NEXT UNDER 30」】に選出
MIYAVI・KREVA・三浦大知のコラボ楽曲「Rain Dance」MV / オンライン短編映画「純猥談 触れた、だけだった。」 / 水溜りボンド「ハッピー毎日投稿終了前ソング」MV / など多岐にわたる界隈を横断しながら映像クリエイティブを行う。また最先端の映像ディレクションを学ぶオンラインコミュニティ「YP映像大学」を開校し150人のメンバーと共に制作活動を行う。
品 番:KRRC-1005 / JAN : 4907953279315
価 格:¥3,000(+Tax)
販売元:Happinet Media Marketing
発売元:KURAMAE RECORDS
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